こわれたおもちゃをだきあげて

この国の秩序らしきものは一般国民の「積極的に知ろうとしない態度」によって保たれている。 メディアは国民の「積極的に知ろうとしない態度」につけこんでマインドコントロールをしている……

キャバレーである。またしてもドイツである。ナチスドイツの台頭するベルリンを舞台にしたミュージカルである。

ミュージカル『キャバレー』 2012
藤原紀香、諸星和己らが豪華競演!最高のエンタテインメントがここにある!ブロードウェイミュージカル『キャバレー』
http://hpot.jp/cabaret2012/index.html


ひょんな事からチケットを入手し行ってまいりました。もう何年ぶりだろうか、ミュージカルなんて。
場所は、本多の杜ホール。雨の中、車を飛ばし専用駐車場へと滑り込む。
もとの石川厚生年金会館。ここは例の売却対象に上がった物件で、天下のウィキペディアによると

北陸電力会館 本多の森ホール
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8C%97%E9%99%B8%E9%9B%BB%E5%8A%9B%E4%BC%9A%E9%A4%A8_%E6%9C%AC%E5%A4%9A%E3%81%AE%E6%A3%AE%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB


とある。
石川県と北陸電力に分割所有されたという・・・
確かに、久しぶりに訪れたその会館、中は分割されていた。
入ると中央はホールへと続くロビー、右に目をやるとそこは、かつて結婚式場が有り、貸衣装や支度部屋などが並び、さらに奥へ進むと披露宴会場が大小いくつかあり、華やかな雰囲気に包まれていたものだったが、いまはジョブカフェや生涯学習関連のブースに変わっている。中をのぞくと部屋の天井や壁が以前の結婚式場のそれのままだったり、となんだか懐かしいような残念なような。
そういえば、あの日も「雨」だった。
かつてここが主催した子ども向けの芝居に出演していた。そして結婚をしたのもここだった。想えば思い出深い場所なのだ。
時は流れ、その造りにかつての面影を残しつつ、厚生年金会館は建っていた。

さて入って「左」はどうなっているかというと管理事務所と北電コーナーとなっている。
この何億という購入代金も、維持費も例の「総括原価方式」で電気代に上乗せされ、給料に反映されてる。ならもっと電気を使っている国民の使い勝手のいいものにしろっという邪気は今日はとりあえず納めてミュージカル観劇。

ライザミネリの映画の印象だけを頼りに観に行くとちょっと「そんな話だったっけ?」となってしまうくらいタイトに詰まった内容。相撲にたとえるなら小技で転がされるというより、正攻法で責め立てられ最後は厳しく頭をつけられ脇に食いつかれ、押されて寄り切られる、という感じか(たとえになってない)。
前半の、地方公演にしては外連味たっぷり、惜しげもなく投入する舞台機構の技術、十数人構成の女性バンド(しかも美人ぞろい)の生演奏などで圧倒してくる構成から、後半一挙にコンセプチュアルに展開していくそれは、およそ娯楽というよりも「娯楽の皮をかぶせた狂気」というようなもの。あくまで娯楽の域を出られない商業演劇のくくりの中でギリギリのオーバードライブをカマしたものに見えた。
ダンスや歌は手堅く“芝居”の効果として取り込まれていたし、ソツは無い。その手の化け物のような表現を期待する向きにはすこし物足りないかも知れないが、このバランスは考え抜かれたものだったのだろうとおもう。
ただコンセプトとして挑んだものが「時代の不条理」だったすると、それを語る上演時間の関連だろうか、次々と展開しなければならない要請に応えるため本来必要な「間」を感じる部分が希薄になってしまったかも知れない。
その“芝居”の要請に応えるという意味では木場×杜カップルの“間”はさすがに際立っていて、やはりキャリアのある俳優の存在は大きいなぁと感服した次第。

でもこの芝居の本当にもの凄いところは、実はここで催された、この興業自身にあると思う。
この芝居で語られる基本構造「インサイドストーリー」~「レビュー」~「サブストーリー」~「レビュー」の繰り返し。
その「レビュー」部に絡んでくるのがキットカットクラブの破廉恥な仲間達とMC(諸星氏)だ。
諸星氏の毒に溢れた枠付けと現実離れした、SEX、SM、ゲイ、バイ、前も後ろも、笑い、職人芸、何でもあり風の乱痴気騒ぎを散々見せられたあげくの、「純愛の本編」。
このコントラストが、まさに今のマスコミ、テレビの惨状に重なって見えてくる。
その上、ユダヤ人差別、蔑視、弾圧、最後は人種年齢性別関係なく引き裂かれていく様を描く、屋台崩し的ラスト。
政治的独裁者を次々と映し出しながら破滅していく人間社会を怒濤のごとく表現している。

これは、まさに今、原発に異を唱えつつ、結局荷担している利権まみれの人々の様子や、「低レベル放射性廃棄物」を「瓦礫」と言い換えヌケヌケと証拠隠滅、被害拡散を謀る連中。
正論を無視し、国民に見えない銃口を向け命の次に大事なものををかすめ取っていこうという所為。
みすみすそれを許しているていたらくを「この興業自体が」揶揄しているようにさえ読み取れる。

この「キャバレー」が催されたホールが、豊かだった日本の屋台骨を支えていた年金制度の上にあったものが、広域指定電力団の手に落ちた物であり、地方公共団体が分割購入していたりすること。
この「キャバレー」が、中央プロダクションが製作し、地方マスコミが主催してしまっていることなど・・・・・・もう、たまらなく不条理で、内容の辛辣さ、難解さも、金沢の観客にちゃんと届いたであろうかということも含め、このひとときの写し鏡がMC諸星氏の「ン~マっ!!」という投げキッスの彼方にしどけなく消え失せてしまう様を思った。
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